会社の株価が高くて困っている―
相続税がとても心配だ―
こんな方には、新しい事業承継税制がおもしろい材料を与えてくれる。
法律の改正が頻繁に行われている。
公務員天国、社会主義のこの国にも、次第に自由主義の片鱗が顔をのぞかせ、
興味深い制度がいくつも生まれつつある。
事業承継税制は、うちのクライアントのちょっとした朗報になった。
現在、相続対策をうっている会社がいくつかあるが、
ふと思いついて、株式交換を組み合わせてみると、非常に効果的な事業承継が可能なことが判明した。
同族株の評価方法については、このような紙面で説明するのも面倒であるが、
会社の規模によって、類似業種比準価額と呼ばれるマーケット・アプローチと、純資産価額と呼ばれるネットアセット・アプローチの二つの方法を組み合わせて株価を算定することが行われている。
類似業種比準価額は、インカム・プロフィット・ネットアセットの三つを指標にし、業種ごとに上場企業の株価と比準させる方法で対象会社の株価を算定するものである。
これに対し、純資産価額は、時価を用いて算定されたネットアセットを株数で除して算定するものである。
公認会計士協会が策定した企業価値評価ガイドラインにおいては、もう一つ、インカム・アプローチという配当やディスカウント・キャッシュフロー(DCF)を用いて、保険数理上の現在価値(actuarial present value)を算定し、それを株数で割るという方法が用いられ、これが結構重要な意味合いをもっていたりするのだが、財務省の作成した財産評価基本通達では配当還元方式という限られた株価算定方式が採用されているだけであり、中小企業にはあまり縁がない。
さて、株価を下げる方法として、どのような方法があるか。類似業種比準価額と純資産価額の組み合わせで株価が算定される以上、それぞれを下げる方法が必要であるから、順に考えてみよう。
まず、類似業種比準価額であるが、配当(インカム)と法人所得(プロフィット)と簿価純資産(ネットアセット)のそれぞれを下げる工夫をすると、株価が下がる。特に、所得は3倍評価であり、退職金を払ったりするとググッと下がる。20年1月1日から新通達が適用されるのでなおさらのことである。
次に、純資産価額であるが、各資産の相続税評価額を下げるのは並大抵のことではないので、ちょっとおもしろい手法を紹介しよう。
実は、ネットアセット・アプローチは企業の解体価値である。解散・清算したらいくらのお金になるか、的な考え方によって計算が根拠づけられているわけだ。清算すると、帳簿上の財産は売却されて時価に変わるから、隠れていた含み益がキャピタルゲインとして実現することになる。そこでかかってくるのが清算所得に対する法人税である。
純資産価額の算定上、この法人税を抜きにして株価を算定するのは酷であるから、この法人税相当額が計算上控除されることになっているわけだ。これが42%にもなる。
実際に清算するわけではないので、この42%控除は節税のツールとしての機能をもってくる。つまり、含み益の高い資産がバランスシートに載っていると、それだけ純資産価額が小さくなる効果があるということである。
さてさて。
そこで株式交換である。
会社が二つあるとする。片方(A)はトントンでそんなに利益も出ていないが、もう片方(B)はすごい利益が蓄積され、含み益がすごいとする。
そんなとき、Aを株式交換完全親会社に、Bを株式交換完全子会社にするとどうだろうか。
税制適格であり、かつ、株主の数が50人に満たないとしよう。
そうすると、Aの貸借対照表には財務上はBの資本金がそのまま載るだけであるが、相続税評価額ではその数十倍もの評価になる。そしてその含み益に対しては、42%の控除が適用されることになるというわけだ。
Aが従業員数が多かったりすると(30人を超えているなど)、実はもっと高い効果が出る。
さらに、事業承継税制で、8割の納税猶予が認められると輪をかけてすごい効果になる。
同族株の評価はパズルのようで結構おもしろいものだ。
当社は簡易方式なら格安で(五万円から)できるので、東京料金の1社五十万円などという金額にはならない。興味のある方は是非どうぞ。外注でもよいです。