かわいいサンタたちが東京から帰ってきた。
ちょっと忙しかった私には、遅いクリスマスプレゼントだ。
上の子はシー、下の子はミノという。
パパが大好きなシーが、ミノを引き連れて書斎に探しに来る。
私はカーテンの陰に隠れて、シーにワッと襲いかかる。
確信をこめた必殺のいちげきに、びっくりしたシーは
へたり込み泣き出す始末で、あわてて抱っこして背中をさすってやったが泣き止まない。
横で見ていた7歳のミノが、
パパー、ひどいよ、シーちゃんはパパのことを心配してたんだよ。
と私を責める。
ああ、ゴメンゴメン。パパが悪かった。許してくれ。
幸せなひととき。私の宝物たちが帰ってきたのだ。
ミノはまた、大人になったようだ。
この子はネジが一つ足りないようで、それでいて、しっかりしている。
いつか、きっと、しあわせな大人におなりよ。
その日まで、私は理想を追い続ける。
今日ひさびさに、クライアント外で税務相談においでた方がおられた。
私も、いっぱしに30分で5,000円という相談料をいただいてご相談に乗るのだが、
たいへん几帳面な帳簿をつけておられることがうかがわれ、
また、税金が高いため、結構悩みながら、いろいろ研究されており、私としてはしきりに感心した次第だ。
世の中にはいろいろな人がいる。
私のような仕事を長くしていると、目を背けたくなるような事件にいろいろとめぐりあい、お金というものの恐ろしさ、また、人間関係のドロドロした部分に嫌気がさすような事もないわけではない。
そんな中で、時おりホッとするのが、中小企業の経営者たちの立派な気迫や崇高なる魂である。
彼らは―抽象的な言い方をするが―真面目で、一生懸命に経営をしている。
どうやって売上を上げ、利益を増やすか。
資金繰りをよくして、人さまに迷惑をかけないようにするにはどうしたらよいか。
社員たちにもっとたくさん給料を払うにはどうしたらよいか。エトセトラエトセトラ。
本当に、真摯に現実と向き合い、小さいながらも必死で毎日を生きているのである。
そこには、大会社の社長にはない(皆ではないと思うが)、謙虚さと、人間愛と、誠実さが満ち溢れているのである。質素な中に、偉ぶらず、優しく、人情味にあふれる人々。これらの人々の共通するものは、すべて中小企業ではないか。
考えてみれば、中小企業の経営者というものは、そのような方向性に向かう傾向が高い。
第1に、よほどのことがない限り、そんなにボロイ商売はない。その結果、努力の賜物で利益を出す。
第2に、社員がせいぜい30人程度で、全体に目が届き、情が移りやすい。その結果、社員たちを大切にする気持ちが出てきやすい。
第3に、商売をするうちに、官公庁を含めて、周囲と上手に付き合っていくすべを身につけざるを得ない。警察や税務署を筆頭に、やはりお上はこわい存在である。
このようなことから、苦労しながら、周囲にあわせつつ、社員や家族を一生懸命に守っていくことが不可欠となってくるのである。
50代くらいにもなった社長たちは、たいていがそれなりに人格者であり、話をしていると何度も気付きを与えられる。みな、個性的な人生観を持たれ、苦労が顔に年輪をつけて、すばらしい面構えになる。
私は、こういうお客様たちが大好きである。苦労話や武勇伝を聞かされるたびに感動するし、若い社長にはずっと傍についていてあげたいと思う。人の生きざまって、素敵だな、自分もこういう人になりたいな、と思うのだ。
人間てすばらしい。人っていいな、人が人を思う気持ちっていいな、と思えるとき、そんなときには金地獄の中に住む税理士はホッと安堵をするのである。
今日は一日、模擬試験を解いていた。
いつやっても地獄のような試験で、自動車教習所の反射試験のようなことを、都合、5時間半も行なう。
問題は150問で、1問の肢が5つとすると、750回の反射試験だ。
さすがに40歳を超えると、論理の反射神経がものすごく弱くなるらしい。また、90ページ近い問題を読む速度も問題だ。知識が曖昧だったり、複雑な論理操作をさせる問題に対しては、やはり極端にスピードが落ちる。
老兵はとく去るべし―などという言葉もある。
だが、私は別に悲観しているわけではない。能力はともかく、たいへんな量の勉強をしてきた。考えてみれば、仕事をしながら、よくもここまで頑張ったものだと感慨深い。
ひとえに、私をいつも支えてくださる、社員たちやお客様たち、そして家族たちのかけがえのない努力の賜物なのである。どんなつらいときも、お客様たちは明るく私を呼んでくださる。落ち込んでいれば、一喝される。何度となく、そう、本当に何度となく、周りのみんなに助けられてきた。
男泣きに泣きそうになるので(弱いやつと思われるかもしれないが、それなりにたいへんな思いをしているつもりである)、この辺でやめておこう。
子供たちは27まで家内と東京に里帰りだ。
自分のペースが守れるのはよいが、やはりさびしいものだ。
明日はどこか、ひさびさにラーメンでも食べに行こうかな。
今日は成績表がかえってきた。
上の娘は真面目で、成績はほとんど非の打ち所がない。本が好きで、買っても買ってもすぐに読みこなして、たまにこわいほど生意気なことを言う。水泳も、ピアノも真面目で、努力家である。
下の子が困ったもので、明るくていい子なのだが、勉強は大嫌いで本も読まない。7歳のくせにオシャレさんで、将来コギャルになるのではないかとパパはひそかに恐れている。
私にとっては、上の子も下の子も、何か妙に?かわいくて仕方がない。
上の子は、顔が自分によく似ているのが不憫でならない。天は二物を与えず、というが、どうみても崎山家の顔で、小さい頃からすぐにどこの子かわかるとからかわれたものだ。生まれたばかりの頃には、髪が生えるのが遅くて、頭が薄くなった父と髪型がキューピーのようによく似ているなどと言われて、大笑いしていた。
下の子は、できない子ほどかわいいという典型的なやつで、自分をデフォルメしたような、ヘチャムクレの顔が、これがどうしようもなく愛くるしいものに見えてくるから不思議だ。USJのジュラシックパークで撮影された落下の瞬間の写真は、何度見ても笑いが止まらない。本人は不本意らしく、写真をどこかに隠してしまったらしい。
この子らの大人になった頃、日本はちゃんとした社会でいられるのだろうか。地球は、住みやすい住環境を提供してくれるだろうか。
日々、会社のことやお客さんのことばかり考えている私だが、思えば、すべてが現行の社会・仕組を前提として、その中で最大の利益をどうやったら勝ち取れるか、という点に尽きる。たとえて言うなら、株式市場で勝ったり負けたりして、一定のお金の取り合いっこをしているだけで、なんら生産的な活動ではない。年相応に、私にも税理士としての特殊な技術や知識・知恵が蓄積されているが、これを使って喜ばれるのはうちのクライアントだけで、日本のため、地球のために、私が何かをしているかどうかはあまり自信がないのだ。
昨日、税理士仲間で7時間もお酒を飲んで話をしていたのだが、その中で考えたことがある。日本のために、今の私にもそれほど無理なくできること。国民みんなのためになって、クライアントのためにもなって、社員たちのためにもなって、税理士仲間のためにもなること。
少しずつ、やってみよう。
メモ程度だが、大まかな内容をまとめておこう。
自分の備忘記録のようなものなので、わかりにくい点はご容赦。
http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2006/pdf/seisaku-030a.pdf
償却関係
減価償却の償却可能限度額95%撤廃 5%になった翌事業年度から5年間で均等償却(ケチな制度!)
残存価額10%廃止 19年4月1日以降取得分は1円まで償却可能になる。
250%定率法(私のブログを読んだ方はわかるかも?)double declining balance methodの亜流と思われます。定額法の2.5倍を定率償却額とするのでしょう。今までの定率法よりも計算が簡単になります。
企業団地に入ると、機械15%、建物8%の特別償却が可能になる。
子育て支援のため、事業所内託児施設の割増償却(建物と什器)5年間20%
医療用機器の特別償却延長
半島振興法延長
同族会社関係
中小企業(資本金1億円以下)について留保金課税撤廃
特殊支配同族会社の基準所得金額を800万円から1600万円に変更(190401以降開始事業年度)
職制上の地位の変更により給与額が改定された場合でも定期同額給与にする。
同族会社でなければ、年次給与が可能になる可能性がある。詳細は法律ができるまで不明。
事業承継の円滑化のために相続時精算課税に500万円の自社株非課税贈与枠上乗せ(3000万円まで非課税)
金融税制関係
エンジェル税制2年延長
上場株の10%課税は1年のみ延長して廃止(20年一杯)
信託を法人とみなして法人税を課す
リースのうち売買となるもの拡大(終了後に所有権移転が定められていなくても売買になる可能性あり)20年4月1日以降契約について。
種類株式の評価方法を通達に定める(相続・贈与)
住宅税制関係
住宅ローン控除が減る方のために19・20年入居者に対して15年控除を創設
長寿社会に対応して5年間のバリアフリー控除(5年以上のローン)創設(要介護・要支援の認定者・その同居者に限る)…基本的に住宅ローン控除と同じ仕組だが(率は200万円まで2%)固定資産税も翌年1年だけ3分の1を免除
住宅の所有権移転登記(抵当権設定も)の軽減措置2年延長
オンライン申請の場合の登録免許税軽減措置(不動産も商業も。商業は会社の設立登記のみ)
その他 電子申告等
寄付金控除の控除限度額40%に拡大
電子申告のためのコンビニ納税
電子申告控除(19年か20年の1回だけ!それもたったの5千円)
電子申告の場合、添付書類をすべて免除!これはよい。ただし、保存は厳守。
電子署名の省略(税理士による場合)
支払調書の提出・源泉徴収票の提出範囲を見直し
支払調書の対象に通訳報酬を追加
地方税関係
ハイブリッド自動車取得税軽減措置は、率を若干下げたうえで延長
国民健康保険税の上限が3万円もアップする
53万円から56万円へ。
来年以降の動き
今後になるが、外形標準課税がとうとう導入される気配がある。また納税者番号制度も導入される可能性が高い。住民税の増税が次第に進む傾向。
新たに環境税が創設される雰囲気が漂う。
金融税制は何らかの統一を目指している様子。
11月17日から、20日近く、会社法を徹底的に読み直している。
前田庸先生の会社法入門(第11版)が、7月に出たので、一度徹底的に読んでやろうと思っていたのだ。
同書は、会社法のテキストの中でももっともスタンダードで、骨太な教科書である。前田先生は商法の改正について、ずっと中心的にたずさわってこられたという、この世界では大御所中の大御所である。先生の手形小切手法入門は、手形権利移転行為の有因論(2段階創造説)を大々的に展開した美しい体系書として、永く圧倒的な影響力を及ぼしてきたように感じている。
去年、東大の31番教室で、ご講演を拝聴して感動したものだ。
ようやく半分くらいまで読み込んできたが、奥深く、何度も発見のあるすばらしいご著書である。私のような浅学非才の徒には、条文を読んでも気づかないことがたくさんあるわけだが、先生のやわらかい語り口の中に、包み込まれながら、何度も翻弄され、感動し、興味をかきたてられ、説得されてきている。
学生時代に、この本の初版を初めて買ったときは、まだ現実の経済事象に対してピンと来ないことが多く、全部読めずに挫折した。だが、今読むと、何と会社法のおもしろいことか。
ふと気がつくと、税理士としての実務に役立つことは実際には半分くらいしかない。私のクライアントにはまだ上場企業など存在していないからだ。
だが、夢があってもよい。いつか、上場するお客様を支える日がきっと来るのではないか。金融商品取引法や社債株式振替法の知識をお客様たちに披露できる日がきっと来るのではないか。
そこまでいかないとしても、合併、事業譲渡、株式交換や株式移転、種類株式の利用、新株予約権の活用、自己株式制度など、利用できそうなことはたくさんある。実は、税務のネタが、たくさん転がっているのも事実だ。
年末になり、忙しくなってきた。仕事も難しい仕事が多くなっているところだ。
だが、頑張ろう。私がバックグラウンドでしっかりとした知識をもっていないと、お客様たちや社員の方々にも応えてあげることができない。あと半分、前田先生にしっかりとお世話になるつもりだ。