クライアント法人の税務調査が終了した。
いつも常勝将軍と行かないのがつらいところで、今日は収益の事業年度の帰属の問題で、調査官に花を持たせてあげるような結論とあいなった。
こんな仕事をするようになって、つくづくと感じるのは、
「正しいものは正しい!」と主張することの勇気である。
人はみな弱い生き物である。
強気に食ってかかってこられると、ついつい、疲れて弱気になって負けてしまったりすることがないだろうか。
たとえ相手が理不尽だとわかっていても、自分が間違っていないと信じていたとしても、
面倒になってしまうことがあるのである。
私にも苦い経験がある。
自分が正しいと信じていながら、権力や脅迫に負けて、自分ひとりが犠牲になって済むのなら、とついつい折れてしまった経験がある。
しかし、残ったものは何か。信じていたものが信じられなくなる疑心暗鬼。自分に対する自己嫌悪。賠償で支払ったお金。
結局身も心もボロボロになって擦り切れて、それでも傷口が癒えることはない。ことあるごとに傷口がうずき、いつまでも後悔の念ばかりが残るのだ。
だから、逆に今の私は強いのかもしれない。
あの日、心に誓いを立てたのだ。
もう、決して権力には負けない。脅迫にも負けない。
たとえ人に疎まれ、憎まれ、嫌われてのけ者にされようと、
世界中のすべてを敵にまわすことになったとしても、
愛する子供たちを残して刺されて殺されたとしても、
正しいことを正しいと、叫び続けよう。
とか何とかいいながら、もちろん、殺されるのはいやだし、人に嫌われるのも好きなわけじゃない。
苦い経験は、人をしたたかにするのだろう。
自分の仕事に手抜きはしない。
事前調査を完璧にし、理論武装を十分に行なう。
関係者への根回しを忘れずに行い、囲碁の定石のように、二重三重の構えを用意する。
最後の決め手は、真実のもつ重みと、何よりも気迫だ。
①信念
②真実
③理論
④現実
⑤プロセス
この5つの要素があれば、たった一人でも国家権力すら打ち負かすことができる。
税理士事務所の仕事は、ちょっとしたミスが死を招く。
笑ってすまされるようなミスはほとんどない。
本筋から外れてきたので、軌道修正する。
正しいことを正しいと言う。
これは、簡単そうに見えて、実はたいへん難しい。
最後まで責任を持たなければならないからだ。
言うのなら、最後まで頑張る。
疲れても、面倒になっても、嫌になっても、頑張るのでなければ、偉そうなことをいう資格はない。
自分に言い聞かせているのだ。
どこかで、弱腰になっている私を見かけたら、どうか、愛情だと思ってひっぱたいてほしい。
Do the right thing.
因果な仕事だ……。
温和で、読書が好きな、おとなしかった私が、なぜこのような、喧嘩を業とする用心棒のような仕事に就いたのか。
父が私に「強」の名前をつけたのは、こんな宿命を背負わせるつもりだったのだろうか。
明日も、また頑張ろう。
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コメント
頑張りましょう。
ずたぼろの方がかっこいい。
posted by ひ │February 26, 2007 01:27 AM