鳥飼弁護士のHPを勧められてのぞいてみたら、
「人生は寝ている間に創られる?」とのブログがあった。
http://torikainikki.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_e4f8.html
*注 鳥飼先生は、おそらく史上初、税理士から弁護士になった、私の理想の先生である。
そう。
楽しいと思えば、この世はばら色に輝く世界である。
苦しいと思えば、一転、東の空から暗雲が立ちこめ、嵐がやってくる。
つらいときには、何もかもがマイナスに見え、誰も彼もが敵に見えてしまう。
これが「四面楚歌」ってやつだ。中国の故事を思い出してしまうな。
ともあれ、周囲から見ると、なんてことのない平凡な一日なのではあるが、
本人はすでに頭がいっぱいになっているから、すべてを自ら関連付けて、「とらわれの人」となってしまうのである。
ことの本質はインナー・スペース(内宇宙)だったりするわけなのだが。
故事成語に乗っけると、
人間、万事塞翁が馬、なんていうのもある。
要するに、よいことも、悪いことも、風に吹かれる柳のように受け流し、飄々と生きることによって、「とらわれる」ことによるロスやストレスを避け、自然体で生きていくのがよいということであったと記憶している。
ところが、気になると、とことん気になるものだ。
蚊に刺されたら、掻きつぶす。
他人の癖が気になり、耳についてしまう。
ロッキーや仁侠映画、西部劇を見ると、強くなったような気がする。
ヤマダ電機を出ると、いつの間にか歌を口ずさんでいる。ん?ちょっと違うか。
こんな経験ってないだろうか?
私にはこのような傾向がある。わりと思い込みが激しい方である。
自分でも辟易するほど……。
精神学者のクレッチマーという人が人間はすべて分裂気質か、そううつ気質のいずれかに分類される、などという説を唱えたというが、私はそううつ気質であろう。
このブログを読む方がしたり顔をされる様子が目に浮かぶ。
私にとっては世界は、たいへん忙しい。
ひっきりなしに、舞台装置を入れ替え、照明さんが明るさを調節しなければならない。
あるときはばら色の世界を。またあるときはどんよりとした世界を。
どんよりとした世界にたまたま居合わせた友人たちの苦労がしのばれる。
そこへいくと、うちの父は優秀である。
「ゆとりすと」を名乗り、うらやましいほどマイペースである。
息子が非力なために仕事もきちんとこなしつつ、自分の時間も大切にしている。新聞を7つも読み、ビデオを収集し、執筆活動にいそしみ、頻繁に旅行に出かける。忙しいときも、暇なときも、感情のむらがない。
まさしく、塞翁が馬の世界そのものではないか!
私は―――
自分を直そうなどと思ったりしたこともあるが、今や開き直っている。
どんよりした日に居合わせた方には申し訳ないのだが、
私の人生は、これはこれで楽しい。
なんたって波瀾万丈なのである。
「落ち込んだりもするけれど、私は元気です」(魔女の宅急便)
実は、2004年からen-Japanにプロフィールを登録している。
同HPは、ご存知の方も多いと思うが、簡単に説明しておくと、要するに幹部クラスの転職情報サイトである。最近は、「ハイクラス」という、年収が1000万円を超える転職情報が増え、たいへんな活況を呈している様子である。
初めの頃は、生保会社や証券会社の外交関係の仕事ばかりだったが、最近は外資系やマスメディア、金融系統からスカウトが入るようになった。年収条件を見ると、ハッとさせられることがある。
2500万円というのもあるのだ。
よっぽど今の生活よりもよくなるのじゃないの?
笑うに笑えない冗談なのである。
みんなの反対を押し切って大学院に行くとき、私は意図的にいろいろな賭けをした。お客様。家族。社員。役員。自分自身。そして、会社。人生を賭けた、文字通りの大博打だ。カジノで言う、All-In(オール・イン)である。思わぬ伏兵の税理士会でしくじったのがちと誤算であったし(内容は内緒)、司法試験に落第したのも誤算であったが、その他に関してはおおむね賭けに勝っているように思っている。掛け金が数百万円もした高い買い物であったので、財産はスッキリとなくなってしまったのであるが。
社員たちにとって自分が必要な人材なのかどうか。これも重要なポイントであった。おかしなことを言うと思う向きもあるかもしれないが、うちのように税理士が二人いる会社では不明確になりがちなところである。また、パートナー会社である(株)アップロードの人材派遣業なども複雑に絡んでいる。どの仕事にどの程度自分が関わっているのかを極めて明確に認識することができ、自分のスキルとお客様のニーズとのギャップや、社員たちが行っている日常業務と自分の距離感なども少し見えてきた。そんなわけで、有益であったとはいえるのだが、口で言うほど簡単なことではないことだけはわかって欲しい。会社べったりだった自分を無理やり引き剥がしたのであるから、それはそれは生皮を剥がすようなつらさであったのである。
私が思い描いていた会計事務所の絵は、まだ半分も描けてはいない。周囲の人は私が資格オタクであるとか、勉強が好きだとか、思いがちなのであるが、私は単に、自分が作りたい理想の事務所を作ろうとしているだけである。そのために必要なものが他にもたくさんある――。
フランチャイズの業務リーダー。
M&Aなどの投資銀行業務。
企業再生などDIPファイナンス系統。
財務コントローラ・CFO。
IR担当者。
東京の住所のままにしてある私のプロフィールをみて、さまざまなスカウトがやってくる。どれも面白そうだし、やりがいがありそうだ。一度かませてもらえれば、たちどころにうちの会社のノウハウとして応用する自信がある。3ヶ月くらいずつ働かせてもらうわけにはいかないのだろうか。きっといい仕事をしてこれると思っているのだが。
わが人生に後悔なし。
これが私の持論だったのだが、最近はうじうじと後悔することが多いようだ。
人生が最低3回は欲しいものである。