確定申告が終わっても、いきなり暇になるということはなく、何か月も引きずる仕事が私を圧迫している。
ひとつ、かぐや姫の無理難題に匹敵しそうな難問を抱えており、この方程式がどうしても解けない。
私の思考は、どちらかというと右脳タイプで、まずは、登場人物をいれたサクセスストーリーを創ることから始まる。これができると、とたんに左脳に作業が移動し、ビシバシと事業計画を作り上げるという感じだ。
今回は、手詰まりだ。どうにも問題の解法が浮かばない。
最適ソリューションメーカーを自負していながら、産みの苦しみはそれなりに大変なのである。
さて、今日はあまり時間もないので、一つ言葉を覚えてもらうことを目標にしよう。
ターゲットは、EBITDA。
社員の方は、この単語を暗記しておくこと!(^v^) 「イービッダ」などと発音される。
earnings before interest, tax, depreciation and amortization
の頭文字をつなげたものだ。
要するに、利息と税金と減価償却等を差し引く前の経常利益ということになろうか。
ほぼ、キャッシュフローに該当すると思ってもらえればよいと思うが、利息を引く前であるところが異なる。
なぜ、このような数字が使われるかというと、資金調達コストは、自己資本他人資本の双方についてかかるというのが最近のファイナンス理論・金融工学上の考え方の主流であるから、他人資本の調達コストである金利も自己資本の配当と同列に、キャッシュフローの減少要因に位置づけられるからなのである。
難しいかな?
企業は、キャッシュフローを獲得するための道具にすぎない(ヴィークル)としよう。
すると、企業価値は、永続するキャッシュフローの現在価値の総和と考えることができる。
その場合、毎年引かれる資本コストはキャッシュフローから減算されなければならず、
ここには他人資本も自己資本も変わりがないのである。
唯一違うとすれば、金利は経費に落とせるが、配当は落とせないというところだけだ。
なんでそんな難しい話を?と思われるだろうが、
ファイナンス理論の台頭の中で、重要な言葉になりつつあったこの言葉、
とうとう、建設業の経営審査項目の中に登場することと相成った。
どんどん強くなるファイナンス理論。
金融を支配し、会社法を支配し、税法にしみ込み、とうとう業法にまで入ってきた。
かくいう私も背に腹は代えられない。
先日納品した合併比率算定報告書には、インカム・アプローチとしてファイナンス理論をふんだんに使った株価の算定を行っている。
カルキング8という数学ソフトまで新調した。
税理士の世界も、とうとう偏微分やら、シグマやら回帰計算やら、統計学・数学に頼らなければならない時代になりつつあるのである。
時代の進展とともに、いろんな新しい資格が誕生する。
以前は、政府筋からの資格の提供が多かったが、
ファイナンシャル・プランナーのあたりから(20年前くらいか?)、
民間の活力が目立つようになってきている。
時代の流れであろうか。
複雑になった現代国家は、すでに中央集権化して官が民に行く先を示すという旧来の政治モデルが通用しなくなりつつある。
私は無政府主義者ではないが、国に多くを期待する気持にはとてもなれない。
エンタの神様ではないが、「福田パニパニ政権」とひそかに銘打つ私である。
3月31日はもう近い。3月2日から参議院で審議が始まっている税制改正法案は、通過しなければたいへんな影響をわが国に及ぼすことになる。憲法59条2項4項によれば、衆議院の再可決はすでに途がない。
自ら退路を断った自民党には、4月1日以降の紛糾状態もきっちりと収拾する義務があるはずだ。
さて、先日の研修で、期せずして「ファシリテータ」「プロジェクトマネージャ」「コーチング」という三つのお話を聞くことができた。
共通するのは、新興の民間資格であること。
ファシリテータは、組織やグループの能力を最大限に引き出すことを目的とする技術を内容とする資格。
プロジェクトマネージャは、建設業のようなIT業界において、現場監督的な業務を内容とする資格。
コーチングは、社員に技術を教えるティーチングと対比される、社員の能力を引き出す技術を内容とする。
プロマネ(PM)は、どちらかというと内容的に新しいものではなく、業界がITという可視化を図りにくい特殊性のもとで成り立つものであると理解しているが、ファシリテータとコーチは、しょうしょう目新しい。もうひとつ、メンター(導師)というものも同列になってくるが、以前は、社員を育てる教育の技術の一つにすぎなかったものがくっきりとくくり出されて、一個の資格として形成されたような感じだ。
思想としては、次のような特徴を有しており、この点を理解されると話が早い。
すなわち、個人には様々な能力が備わっており、それを引き出し、組織に溶け込ませることを傍について一度道をつけてしまうのだ。方法を教えるのではなく、いっしょにやらせてみて、正しい道筋を実体験させるわけだ(コーチング)。また、自分は黒子に徹し、グループの構成員が発言を思い切りできるような環境作りに力を注ぐ(ファシリテータ)。
昔、ハーバード大学のビジネス・レビューでコーチングの特集記事を読んだことがあり、私は一度コーチングとやらを体験したことがある。すでに4年前になるか。おもしろかったし、たいへん勉強になったので、都合よくエッセンスだけをいただいて仕事に生かしている。お分かりと思うが、勉強しただけでできるようになるような生易しい内容ではない。日々これ研鑚である。
今回の研修では、いくつか貴重な示唆をいただいた。
「敵対する分子が存在するミーティングをうまく乗り切る技術はあるのか?」
という質問をしたのだが、講師の返答が少し不十分な気がして不完全燃焼だった私は、休憩時間に突然、天啓を受けたような気がして、疑問が氷解する思いがした。講師の返答は、私にとっては呼び水だったわけだ。その意味で、今回の講師は私の「メンター」である。
ここに書くような内容でもないので、お聞きになりたい方は直接にどうぞ。
簡単にいえば、「敵対するミーティング」というある種矛盾した表現にある。
今日は、来所したクライアントから、「敷金診断士」のお話を聞いた。
これも民間の資格だ。
国がどんどんパニパニ思考停止になれば、民間が活性化してくるようだ。
それでよい。
私たちの愛する祖国は、民によってこそ支えられ、運営され、その福利は民が享受するべきなのである。
「先生、もうばんざいした方がいいんやろか?」
いい会社もあれば、悪い会社もある。
確定申告の時期は、数百人の方が私のそばを通り抜けていくから、悲喜コモゴモを目の当たりにする時だ。
当社のクライアントだけではない。「税務援助」といって、税理士は商工会議所や市役所、税務署に出張して申告の記載の指導をするのだ。
今年もコマのように働いた。
肌で感じたのは、貪欲にいろんなことにチャレンジしている方が今年は所得が高い傾向があるということだ。
特に、この不況の時期にあえて創業された方々の健闘が目立つ。
歴史のある会社や、2代目の会社は比較的劣勢である。
業種的な特徴でいけば、医師、歯科医師、柔道整復師などの医業系はいつもよりも調子が良い。農業・漁業などの1次産業は落ち込みが目立ち、輸出関連企業は前期は絶好調である(円高が怖い!)。建設業は公共事業がメインのところはほぼ全滅状態で、民間中心の会社は比較的堅調である。不動産業は円熟してきたか。小売は強みがあると圧倒的な強さがある。特色のない商売はなかなか難しい。
さて、製造業やサービス業はもはやひとくくりにできるものではない。
先ほど述べたように、強いところと弱いところが完全に二極分化の傾向にある。
成功する秘訣とは何だろう?
同じ商品を扱っていても、同じサービスを提供しても、うまくいく会社とうまくいかない会社がある。
私にはその差が、ちょっとしたものに思えてならない。
明るさ…そんな表現もできる。プラスの磁場を作ること。くよくよと思い悩まないこと。冷静に計算できないのは困りものだが、100%の成功を期していたらいつまでたっても朝はこない。勇気を出して、一歩前に踏み出してみよう。
実行力…明るく、一歩前に踏み出したら、その次に必要になるのは、実現までこぎつける力。やると決めたら、四の五の言わずに最後までやりとおす。融通が利かないのは困りものだが、本筋さえ押さえれば、多少のことは目をつぶって必ずやり遂げること。途中で考え込んだり、くよくよしていては損失が拡大するだけだ。
勇気と、実行力を合わせると、「実現」という現象が起きる。
実現は、一度できると、自信になり、また次につながる。
何度も実現を繰り返すと、その回転が粗利益を生む。
粗利益は商売にとって最大の力である。コストを吸収し、また次のチャレンジに備える資金を生んでくれる。
小学生の計算問題を思い出してほしい。
一度しっかりと例題で練習し、
それを確認問題で繰り返してやってみる。
その解法は、次の応用問題に対するカギになっているのである。
商売は、勉強と同じだ。
勉強が嫌いなら、スポーツと同じだ、といってもよい。
自分の強みや弱みを分析して、特定の動きを特訓したり、筋肉の部位を強化したりする。
何も怖がることはない。
人が欲しがるものを売る限り、絶対に買ってくれる人がいるのである。
「ばんざいした方がいいんやろか?」
そんな時もあるかもしれない。うちには提携先の弁護士さんもおられ、民事再生も手がけたことも何度もある。官報には五万と破産や民事再生の事件が載っており、いまどき珍しくもない。
しかし、私は、あえて尋ねるようにしている。
「何を目的にして、倒産しますか?」
私はクライアントを究極的に守るのが仕事である。倒産だとて、クライアントの将来の幸福のためのワンシーンであり、一つの手立てにすぎない。
トータルに考えて、メリットが勝ればそれも八方ふさがりを打開する手段の一つになりえよう。
だが、メリットのない倒産話が多い。
目先のことだけを考えた倒産で、あなたは最後の幸せをつかめるか。
今一息つけたからといって、奥さんや子供たちを守れるのか。唯一の城である自宅を守ることができるか。
明日から生きていくための収入をどうやって調達するのか。
幸せが遠ざかるように思えるとき、かえって、傷口に塩を塗るようなことを言い放つ憎たらしい友になりたいと思っている。
もちろん、脱落をいっさい許さない、というのも厳しすぎるときもある。
本当に苦しんでいる人には、「今までよくがんばりましたね」と、声をかけてあげることもある。そんなときは、お客さまとともに泣く。生活が何とか成り立ちそうで、かつ、成功のハードルが高すぎるように思えるときは、そちらの方がよいような気がする。
暗い話になってきたので、もうやめよう。
冒頭に述べたように、いいところもあれば、悪いところもあるのだ。
金は天下のまわりもの。
おごれる平家は久しからず。
大切なのは、勇気と、実行力だ。
冷静な計算に裏打ちされつつ、熱いハートで立ち向かえ。
いったん始めたら、一区切りつくまで手を緩めるな。
達成したものだけがあなたの血肉となってあなたを強くするのだ、ということを忘れるな。
わたし流に、成功の秘訣を書いてみた。
ほんのちょっとの差が、ゴルフのショットのようにフェアウエイとOBを分ける。
信じるか、信じないかはあなたの自由である。
滅したかと思われた方もおられるかもしれないが、私は今日も健康そのものである。
同業の税理士のブログなども毎日拝見していたが、
忙しいのと、いささか思うところあって、しばらくブログの書き込みを控えていた。
いやはや、確定申告は本当に忙しかった。
申告だけでも忙しいところへ、税理士の交替のごあいさつ、融資案件の紹介、新規の引き合い、企業再生事案2件、合併、事業承継、株式交換等の組織再編成の相談、建設業の新経営審査事項の発表、税務調査への対応、外国人の入管関係の仕事・古物営業関係・風俗営業関係・漁業法などの行政書士事務所の業務などなど。相続や公益法人の予算関係のご相談もあった。
極め付けは、中小企業会計基準と、電子申告。
最後は、日曜日まで出社して、総務の女の子と申告書の適正性をチェックした。
当社は、女性の多い会社である。社員のうち、7割くらいは女性なわけであるが、やはり女性は粘り強いものだと感心する。細かいチェックや、根気のいる仕事を、よくもまあ、正確におこなってくれるものだ。
私は、作ってくれたデータをベースに、お客様にさまざまな分析や視点を提供する。
業界の動きや、新しい動向、政府の方針や法的規制、財務指標などの情報は、つねづね官報やTKCのデータなどで収集しているが、これらはお客様の正確なデータがあればこそ、真に価値のある情報となるものである。
お客様には私との面談がおおむね好意的に受け取られてきている実感があり、業務のあり方についてはほぼ確立してきたものと思っている。
私に協力してついてきてくれる社員たちには改めて本当に感謝しなければならない。
今、心がけているのは、お客様同士のマッチングである。
うちのクライアントはほぼ漏れなく様々な業種があるので、コラボレーションを仕掛けるとおもしろい結果になることが多い。私が両方の帳面をみているということで、両社にも安心感があるらしく、場合によってはトントン拍子に話が進むこともある。そんなとき、税理士冥利に尽きる思いあふれ、ひそかに一人晩酌をするのである。
私は影だ。
お客様たちのうしろに控え、分をわきまえつつ、裏方に徹する。
光り輝く光明を肩越しに眺め、ひそかに満足する。
それでよい。それ以上を私が望むことはない。
サムライとは、そういうものだというのが、私のささやかな誇りであり、ポリシーである。
お客様それぞれに対して、お会いしたら必ず「おみやげ」としての提案を最低1件させていただくこととしているのだが、なぜ自分でおいしいところをもっていかないのか、といぶかしむ方もおられる。
実は今日も言われたが、その理由は単純だ。
私は税理士であり、実業家ではない。他人のために働くことこそが私の生き甲斐であり、楽しみなのである。固定の仕事をもてば、税理士をする時間がなくなる。それが惜しいのだ。
収入は実業家の方に比べれば少ないが、なんとか家族を養えるだけの十分なものであり、満足している。お客様にも大切にされているし、あとは楽しい仕事がしたいだけだ。
お客さまと一緒に、頭をひねって考え、困難を乗り越え、最適なソリューションを見つけ出す。このような仕事がもっとも自分の性分に合っている。
難しいニーズを工夫してやり遂げるお手伝いをするのがとっても楽しい。
ちょっと危ない性格なのかもしれない。
身の程をわきまえること。
先輩の税理士のセリフを座右の銘にしながら、
次々と新しいことにチャレンジしないではおれない私である。