ここのところ、あまりいいことがない。
この私が、たった一人でスナックでうっぷん晴らしをするなんて、
いまだかつてありえなかったことである。
今日は、税理士会の理事会の前に、正副会長会に参加した。
名称を見ればお分かりのように、はえある北陸税理士会の中枢的意思決定機関である。
内容としては、
①銀行や公庫と税理士会の提携のあり方
②税理士の得意分野を積極的に作る試み
の2点について、最高意思決定機関の判断を仰ごうというものであった。
①については、スムーズに承認が下りたが、②については、「時間をかけて話し合おう」ということで、
継続審議事項とされてしまった。
これは、事実上の却下ということなのだろう。
私の現状認識は、次のようなものである。
第一に、現状、税理士たちは、結構厳しい経営環境にある。
情報システムが、簡単に構築できるようになり、帳簿を作るだけで専門家である、と言えた時代は終わった。
税理士が求められるのは、値段が安いか、別の高度な業務かどちらかである。
要するに、低価格路線で行くか、高付加価値路線で行くか、という究極の選択を迫られているわけだ。
当会計事務所は、両方の路線に対応できるように、舵を転換しつつあるわけだが、
やはりいろいろ難しい問題に直面しつつある。
他の古い会計事務所の中には、変化に対応できず、
もっと経済的に厳しい状況に追い込まれているところも少ないとは言えない。
残念ながら、税理士は、案外と経営が下手な人が多いのだ。
私のプランは、税理士会が各税理士に夢のキャリアパスを提示し、
特に、若い税理士さんに様々な路線をチョイスするレールを敷いてあげるというもの。
税理士か会全体として、優秀な専門家集団へと歩む道筋をつけたかったのである。
会として、おなじみの「税務・会計」という金太郎飴みたいなほこり臭い言葉から抜け出し、
「ベトナム進出なら国際税務に強い○○税理士を」
「会社の再建なら、企業再生に実績のある○○税理士を」
「実効性のある人事評価システムを作りませんか!BSCで優れたコンサル○○税理士」
「金融と資金繰りに強い○○税理士を会計参与に雇いませんか!」
「金融商品ならお任せ!○○税理士事務所」
「不動産の有効活用なら○○税理士事務所」
「企業買収実績14件の○○税理士事務所」
「医業に強い○○税理士事務所」
「公益認定はお済みですか?○○税理士事務所」
書けばきりがないが、自分の実績を誇りにしてもいいではないか。
第二に、 税理士は、継続業務ばかり狙っているが、単発請負業務の市場はまったく手薄である。
うちの事務所は、相続申告などの資産税業務が途切れたことはないが、
他の事務所は、単発業務などうちの事務所ほどやってはおるまい。
うちの事務所の強さには秘密があって、資産税業務が次々とやってくる仕組みが少しあるわけだ。
その秘密の一つは、 うちの事務所は、単発業務、下請け業務をこなす仕組みをもっているということ。
問い合わせがあった場合、見積書をさらっと作る。
必要な書類や、工程を惜しげもなく提供する。
最新の知識などにも精通しており、ネットなどで調べてくるお客さんにも決して慌てることはない。
スピード、フォロー、料金の明示、納税の相談、遺産分割の円滑化サポート、
このような気持ちの良い仕組みに触れたとき、依頼者は、とても頼もしく感じるはずである。
年次決算や、企業再生などの特殊業務も同じである。
実は、依頼者というのは、別の士業の方だったり、銀行だったりすることも多い。
税理士会は、古い「税務会計」という税理士固有の分野にこだわり、
新しい分野は個々の税理士に委ねているという。
しかし、いまどき、税務会計を頼みたいというクライアントがどれだけいるか。
税理士など、掃いて捨てるほどいるのだ。
そんな中で、クライアントが税理士を選ぶ基準とは何だろう。
変な本がたくさん本屋さんに売っているが、
そんなことは問題ではない。
商売の基本は、「人がほしがるものを売れ!」
税理士は、人がほしがるものを売らず、人が嫌がるものを無理やり買わせようとしているように
私には見えるのである。
多少馬鹿馬鹿しい気持ちではあるけれども、
私は、税理士会が好きだし、税理士たちはみな私の親しい友人だ。
若い税理士からは、私たちはどうしたらよいのか、などと相談を受けることもある。
うちの事務所にも、税理士志望のルーキーがいる。
また、税理士会全体が強くなることで私も恩恵を受けることもあろう。
個々ではなく、集団としてしか、できない政治的なものもある。
一肌も二肌も脱いで、税理士会の将来のために頑張ろう。
私は、私を買ってくださった高岡支部の税理士たちのためにも、
北陸税理士会を、できることなら、日本税理士連合会を変化させていく歯車になりたいのである。
税理士会が推奨分野を作る。
推奨分野を履修する要件を定める。
個々の税理士は、ステップアップ研修を夢をもって行う。
税理士会は、依頼業務に推薦税理士を派遣する。
実績が税理士会に蓄積される。
わからないかなあ?
私は、こうやって業務を拡大しているのである。
正副会長会では、私の案は、事実上、否決された。
たいへん残念だが、次のチャンスまでもうしばらく一人で頑張ることにする。