子供を育てるのはことのほか難しい。
甘やかすことは実に簡単だ。家計を経済的に支え、大きな体に育てるのも今の時代は難しいことではない。
しかし、精神的に育てるのは本当に難しい。
だれにとっても、育てられたことはあっても、育てるのは初めてであることが多いだろう。薄暗がりの中を手探り状態で、恐る恐る、それでも表向きは堂々と、子供に立ち向かう日々である。
次女は、勉強が大嫌いで、音楽とテレビとゲームとファッションばかり。いまどきの子供である。
今の小学校は学力がおそろしく低い。授業参観などは必ず出るようにしているが、年齢の割に思考がたいへん幼い。にもかかわらず身体的・情緒的には早熟で、このギャップが私には脅威に思える。さまざまな問題の根源的な原因ではないかと思えるのだ。
少し説明してみよう。身体的・情緒的に早熟ということは、大人の感覚で好き嫌いがはっきりしている。楽しいこと、うれしいこと、嫌なこと、そんなこ とが極めてクリアに判別されるわけだ。だが、思考が幼いために、自分の好き嫌いの基準や、その理由など、重要な部分がきちんと考えられていない。また、同 時に認識範囲が不十分なため、コミュニティの必要性や他人の痛みを完全に理解していない。結局、大きな赤ちゃんみたいなもので、気にくわないことがあると すぐに相手を敵と認識し、友達に対して「キモイ」とか、「KY」とか、時には「シネ」などと、平気で口にするようになる。語彙にとても乏しく、テレビで流 行っている言葉しか使わない。一度傷ついた関係を修復するだけの我慢強さも持ち合わせていない。気に食わなくなったら最後である。その子をクラスから追い 出すまでいじめが続くことになる。それがわかっているから、いじめられる子は極端に卑屈になる。卑屈になりながら、その子供は決していじめた子たちを忘れ はしないだろう。幼い思考のまま、他人を憎むことを覚え、その結果が何を導くであろうか。
うちの娘もこんな言葉の渦巻く社会に住んでいる。私は、生粋の公立育ちで、雑草のようにマンモス校で育ってきた。多少はいじめられた方だと思うが、 よい友達もいたから、平気でここまで生きてきた。だが、情報をリサーチし続けてきた結果として、どうもこのままではいけない気がしている。少なくとも、娘 も姉と同じ私立中学に行きたいと言うようになった。
恥ずかしい話だが、学校では成績がよいと言われる娘であっても、私の世代からみると圧倒的に思考力が欠けている。文章題や、規則性の問題、整数問 題、あるいは幾何の問題などは、考える努力すらできないのである。どんなに苦労しただろう。数カ月、いや、数年。私は親として、全力でこの問題に取り組ん できたつもりだ。ようやく、いまここにきて、私がインジケータとして重視していた要素が見えてきた。先日、娘をべた褒めにほめちぎり、優しいパパに戻った ところである。
②中学校2年生のケース
上の子は私立中学の2年生だ。住めば都の脳天気なタイプで、この学校に入ってよかったと思っているらしい。色気づいて、ちらほらと男の子の話も多少あるようだ。
困ったのは、勉強を少しなめているところ。確かに成績はさほど悪くはないが、自信過剰だ。私の眼にはとても自分に自信を持てるほどの成績とは思えな い。そもそも、トップクラスの子たちと仲が良い割に、自分がその中の一番下だ。それでも勉強をしない。大きな声で歌を歌い、いつもiPodで耳がふさがっ ている。携帯を四六時中いじっており、メールの嵐。自慢じゃないが、家でいちばん携帯の料金が高い。テストだというのに、生活が変わらない。家内に叱られ ると、汚い言葉で侮辱し、悪態をつく。
先日、ひさしぶりに娘を叱った。携帯に関するルールを堂々と破ったのである。
お前は傲慢すぎるんじゃないか。その程度の知識と思考力しかないくせに、家のルールの意味がわからないなどといってパパとの約束を破るのか。どうであれ、約束は約束だ。破った以上、予め決めた通りの処分にするからな。
決定を下す。無期限の携帯中断処分。
ぶつぶつと文句を言っていたが、あまりにもお粗末だ。反省するまで、友達をなくそうが、男の子に振られようが、私は許す気はなかった。
しばらく、そもそもルールがおかしいとか、パパはひどいとか、あちこちで愚痴っていたらしいが、これは少年事件のような不定期刑であるから、本人の悔悛の様子がないと処分を解除しない。
私も苦しいのだ。読者諸氏、わかっていただけるだろうか。1週間、大好きな娘と冷戦状態である。書斎のノートパソコンのガジェットを見るたび、胸が 苦しくなった。ガジェットには、ずっと「こどもの顔を見ていると、勇気がわいてくる」と記載してある。私の勇気のみなもと。エネルギーが切れそうな金曜日 に、娘が戦略的撤退の作戦に出てきた。
型どおり、お説教をして、再び決定。「先日の処分を解除する」。娘は喜び勇んで書斎を出て行った。お説教の内容は、時間の大切さ。
お前は14歳になる。あと4年したら、18歳だ。大学に行って一人暮らしをするようになるだろう。もはや、そのときは、お前を止める人は誰もいな い。好きなだけ携帯を使い、パソコンを使い、音楽を聴き、歌を歌うがよい。しかし、今は違う。4年といえば、たかが1400日くらいだ。1400日間我慢 すれば、お前は自由になれる。大切なのは、その1400日で、お前がこれからどんな大学に行き、どんな職業に就き、どんな一生を歩むかについて、8割くら い決まってしまうという事実だ。今のお前はどんなすごい人なのだ?あと1400日でお前はどれだけ変われるのだ?お前はあと1400日後にどんな人になっ てなければならないのだ?
友達と比べると多少はこたえるらしい。ちょっとグサリと刺さるものがあったのか、部屋を後で通りかかるとなぜか勉強をしていた(^^;
体は大きいし、言うこともなかなか鋭い。以前、ブログに書いたとおり、パパをさむーくさせる夏向きのシー様である。しかし、まだまだ負けるわけにはいかない。少なくとも今は所詮、こどもの発想でしかない。全体像が見えていないことが多々ある。
引き続き、パパ頑張るぞ、よし!!という感じで、気持ちを引き締めているというところである。
さて、今回は、まったくテーマからずれた話であった。御粗末さま。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110505-OYT1T00550.htm?from=rss&ref=rssad
【台北=源一秀】3日付の台湾大手紙「自由時報」「聯合報」に、日本のネットユーザー約6000人が東日本大震災の義援金などに対する半ページの感謝広告を掲載した。
日本語で「ありがとう、台湾」、中国語で「愛情に感謝します。永遠に忘れません」とメッセージが書かれている。
日 本政府は米国、中国、韓国などの大手7紙に震災支援感謝の有料広告を出したが、約160億円もの義援金が集まった台湾は含まれていなかった。川崎市のフ リーデザイナー、木坂麻衣子さん(37)が簡易投稿サイト「ツイッター」で「台湾にもお礼したい」とつぶやいたところ、賛同者が殺到。2紙の広告費240 万円を募ると、全国から6015件、約1930万円が寄せられた。