全体の所長に就任して二年ほどが経過する。
無我夢中で経営というものに取り組んできたが、ちょっとコツがわかってきたような気がする。
最初の頃は、自分の夢を無理やり社内に押し付けようとしていた。
雰囲気ごと理解せよというわけだが、これでは社員たちがたまらない。人生を半ば半分も歩んできた人たちに人生観を変えろと言っても踏み絵と弾圧で隠れキリシタンを生むだけだ。
経営者は、結果の成績が大切である。自分だけがガムシャラに頑張った分の成績でどれだけ会社を変えることができようか。小さいと言っても25人以上 が出入りする会社だ。一人の力なんてたかが知れている。それでも、支えてくれる社員はいたから、何とか成長させることができたが、自分にとって最も大切な 仲間ばかりに苦労をかけてしまう。ジレンマの中で悩み、苦しんだ。
ふと気がついたのは、組織を動かすのは、組織そのものであるということだ。人は直接組織を動かすことはできない。個別の業務命令と全体の組織運営の頭を切り替えるのだ。
方針を作る。まず簡単に何がしたいのかを明確に。
個別のルールを作る。どんな時にどうするのか。
そして、商品を作る。チラシを作り、社員もクライアントも端的に理解できるように。
価格体系を明確にする。見積りを直ぐに出せる体勢に。
実行部隊に、具体的な運営方法を研修する。
指標を作成し、進捗モニタリングを行う。
問題点をフィードバックする。
個別の業務は簡単だ。監督の指示が具体的だから、従うのは容易い。
しかし、一人一人に伝える内容が、直接、組織的業務であってはならない。
全体の統一性が取れなくなるし、言われた方は処理に困る。
実行すれば、自分は周囲から逸脱するし、実行しなければ上司に叱られる。
部下にそんな苦しい思いをさせるのは胸が痛くなる。
先日、株式会社武蔵野の小山昇社長の話は圧巻だった。
まさに、自分にとって、最も有益な研修であったように思う。
精神的な研修はしない。極めて実務的な研修こそが役に立つ。
私はもう、講師の席に立つことはしない。
私が話すことは難しいことだと皆が思ってしまうから。
誰もができることを誰もが講師をする。
自分たちで自分たちのやり方を作らせる。
業務時間が長すぎて、正直な話、疲れている。
税理士会の業務も結構きつい。
当社の特徴として単発の業務が結構多く、請負型の仕事は利益もいいが、神経を使う。
仕事が忙しいのに、本来任せてあった会社の経営に手を出さざるをえなくなって二年間。
営業活動の激しさもましてきている。最近は国内にとどまらない。
タフな私だが、どこまで頑張れるかよくわからない。
そろそろ、会社が命を得て動き出して欲しいものだ。