重加算税の賦課

December 9, 2017 12:40 AM
Category:[租税制度について]


タイでは、重加算税というものに出会ったことはないが、過少申告加算税はたくさん見かける。

PND(ポーゴードー)1とか3という、いわゆる源泉所得税の様式があり、あるいはPP(ポーポー)30というVATの申告様式があって、期日がそれぞれ翌月7日、15日などになっている。日本と異なり、課税標準の計算が一体となっており、単なる納付書ではないので、申告書をきちんと書き上げないと計算ができない。

ところが、7日にいきなり前月分を納めろと言われても、ほとんどの会社は給与の締め払いが月末になっていたりして、結構日程的に厳しい。当社は、10日に支払日を持ってくることを推奨しているが、それは、10日に源泉所得税を徴収すれば、納めるのが翌月の7日までほぼ一カ月の計算期間があってゆとりを持って取り組めるからだ。月末支給だと、本当に7日しかない。給与はまだよいとして、VATの計算は15日はかなり厳しい。日本もいよいよインボイス方式になるので、いずれ皆さんもお分かりになるだろうが、タックスインボイス(適格請求書)というものを申告書に添付する必要が出てくることになる。書類を集め、整理して、要求事項が記載されているかどうかチェックして、記載漏れ等があれば発行しなおしてもらう。これを拾って集計して申告書に仮受消費税と仮払消費税を精算して差額を納付する。どこの会計事務所も結構苦労しているに違いない。電子申告にして期限が少し伸びたところで、みんな一斉に行うので、事務はどうしても集中するわけだ。

理想としては、会計ソフトを使って、仕訳入力と申告書のデータが一致することを確認して自動で申告書を発行し、電子申告したいところだ。が、しかし、時間との戦いの中で、月の前半はPNDとPPで書類を拾いながら申告書作成を独立した事務として行い、月の後半で終わった会計データを入力していくという会計事務所がほとんどだ。ここで出てくるのが、申告書と会計データの齟齬。よくあるのが、適格請求書がきちんと発行されておらず、申告に間に合わないケース。あるいは、源泉の対象であるにもかかわらず、源泉処理がされていない。紙ベースで拾っていると、後から後から、間違いが発見され、後で修正申告することが必定になってくる。こんなことで、税務申告には過少申告加算税がザラにあるという現象が生じるわけである。

日本も、請求書と適格請求書が区別される時代が来る。すでに法律は発行されており、予定の施行日を待つだけになっているので、誤解のないようにお願いしたい。請求書は、会計の支出と損益計算書の原価や経費の根拠にはなるが、そのままでは消費税の仕入税額控除に使用することはできない。仕入税額控除に使用できるのは、適格請求書である。要件を満たしていなければ経理担当者か、会計事務所か、税務署で撥ねられる。

おっと、脱線した。インボイスのことを知っている税理士さんは日本にはほとんどいない。経験したことがないから当たり前であるが、仕訳などをどのように打つべきかはちゃんと考えた方がいいと思う。どうも世の中、軽減税率だとかの金額の多寡ばかり考える傾向があるが、事務がどんなに大変になるか、わかっているのかな???本当に問題とすべきことは、「法律を作ったら、実行しなければならない」ということじゃないか?さて、誰がこの面倒な処理をするのかな?税務署さんはどうするのかな?ちゃんとチェックする体制を作れるのかな?クライアントたちは、適格請求書を発行できるのかな?高額なソフトを買えるのかな?領収書の書き方ががらりと変わるけど、対応できるのかな?コクヨの100円領収書の印刷はどのように変わるのかな?消費税の申告は誰がするのかな?会計事務所がやるときは、その手間分の料金がもらえるのかな?後で齟齬が起きるケースがかなりの確率で想定されるけれど、過少申告加算税かけるのかな?そのミスはいったい誰のせいになるのかな?

インボイス論議は、また今度にしよう。

今日は、前置きが長いな。重加算税の話をしたかったのに。

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