12月は、北陸税理士会主催の金融懇話会が数多く開催される。
北陸税理士会は、金融機関だけではなく、県庁幹部との懇話会をはじめ、個別金融機関との懇話会や、融資相談会など、さまざまな機会を設け、中小企業の金融の円滑化に心を砕いている。
私は、原稿を書くのにたいへんだ。
たいへんついでに、一つの原稿例をここにアップすることを思いついた。(^^;
転んでもただでは起きない?計算高いAB型の性格がよく出ているだろうか?
*面倒なので、表や挿絵は省いて本文だけにしてあります。
資料がほしい方は、個別にお願いします。(^^;
一 中小企業を取り巻く環境
金融庁のホームページには、いわゆる不良債権比率(金融再生法開示債権の全与信額に占める割合)がバブル崩壊時の高い数値から次第に減少して、処理が進んでいるようなデータが示されています。平成23年3月期では、信金・信組でも5.6%、地銀では3.1%ということになっています(資料1)。
しかし、この数字は、金融円滑化法によってリスケジュールを行っている貸出し先が、相当程度、仮に「正常先」のまま計上されていることに注意をして読み取らなければなりません。先日の日本経済新聞の紙面で大きく取り上げられたとおり(資料2)、金融再生法上の正常先には44兆円を超える「要注意先」が含まれる構造になっているからです。44兆円とは、現在の日本の年間の国家租税歳入を凌駕する金額であり、全貸出残高566兆円の8%にも上ります。中小企業に対する貸付けが信金・信組・地銀に偏る現状を考えると、貸出しが不良債権とその予備群を加えておよそ15%にも上る可能性を示唆しており、空恐ろしい気持ちすら禁じえません。金融円滑化法には功罪があり、別紙に示す通り(資料3)、今もなお要注意債権が増加し続けている現実を直視するべきであると思います。
この問題は中小企業側だけの問題ではなく、貸付側の金融機関も引当の増加・回収管理コストの増加という問題を引き起こし、ひとたび債務者の評価が変化しただけで、債権額の70%を引当しなければならないことがあります。金融検査の際に監督官庁と意見が相違することもしばしばとうかがいます。赤字に転落すると、自己資本比率を圧迫し、下手をすると業務停止に追い込まれます。まさに薄氷を踏む思いであると、ある幹部の方からもうかがいました。収益の悪化に加えて、コスト増が発生し、金融機関の体力もどんどん落ちていく。収益が欲しいのに、貸せない。回収したいのに、回収もできない。そんな悪循環の繰り返しで、血液の循環に支障をきたしつつあることに目を背けてはならないのではないでしょうか。
二 税理士会の取り組み
さて、このような負のスパイラルを断ち切るには、何よりも「要注意」におちいった債務者の処遇を適切に行うことが肝要です。現在のように、ただ治療もせず応急措置をするだけでは、患者が増加するだけで、やがては健常な企業までが共倒れになっていくおそれがあります。金融庁は、23年度の金融検査マニュアルの中で、金融機関にコンサル機能を発揮しなさい、金融機関だけでは難しいだろうから「税理士等の専門家」の力を借りなさい、と明記するに至りました。企業には、創業、成長、成熟、衰退というライフステージがあるといわれていますが、このライフステージに応じて、企業にソリューションを提案しなさい、というのがそのコンサル機能の骨子であったと思います。
税理士の役割りは大きいと感じています。創業、成長、成熟の時期もさることながら、とりわけ衰退企業には個別の処方箋が必要であり、事業の持続可能性(フィージビリティ)と経営者の素質による四つのマトリクス(上図)で適切に処理を行わなければならず、このような定性的判断は、定量的判断では十分になしえないことだからです。
中小企業側に親身になって、処方箋を書き、手取り足取り経営計画の実行支援を行い、慢性的な生活習慣病からの脱出の実を上げることは、日々の訪問を業務内容とする税理士が協力しなければ到底なしうるものではないと考えます。
北陸税理士会は、全国に先駆けて、中小企業支援対策部を設け、①金融機関等との協業体制風土の醸成、②金融制度・再生手法に関する会員研修会を開催し、③正確な財政状態の把握のための中小企業向けの会計指針の普及に努め、④企業内部に入り込んで財務の適性性を担保する会計参与制度の普及に努め、⑤同時に上記指針や会計参与を用いた提携ローンを提案するなど、様々な施策に首尾一貫して取り組んできたところです。その成果は、各金融機関との覚書きの締結や、各種金融商品の商品化などに結実してはいますが、世間の認識は今ひとつ力を欠き、未だ実績を誇れるほどには至っていないのが現実です。
三 金融機関幹部の皆様方へのお願い
混迷を深めるわが国経済の本格回復には、200万社を超える中小企業の復活が不可欠であることは異論をみないところでしょう。金融機関の皆様方には、税理士会の不退転の意気込みと取組みにご理解をいただき、債権管理などにおける税理士のご活用を率先して推進していただけるよう、深くお願いしたいと考えています。手前勝手ではございますが、なにとぞご協力をお願いいたします。
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午前中、有志を募っての勉強会を開催していたが、途中で高岡信用金庫の方が二人お見えになった。
要は、金融庁の指導があって、企業再生支援に取り組んでいるのだが、自分たちだけでは限界があるので、税理士にも協力を求めたいということであった。
もちろんこちらに異存があるわけもない。案件があれば、全社を挙げても取り組むべき課題である。
ゆりかごから墓場までというこわい言葉があるが、税理士という仕事は本当に企業の誕生から解散・清算までお客様とがっぷりと四つに取り組む仕事でもある。
銀行さんも最近は公表するようになってきているが、銀行が企業の返済能力を評価する基準は、「実態バランスシート」と呼ばれるユニークな貸借対照表が中心である。
企業会計によって作り出される貸借対照表とは少しだけ異なっている点があるので、次の点に留意しよう。
①企業の資産の中でも中身に疑義のあるものは、実額で計上される。
例えば、不良債権、不良在庫、時価の落ちた固定資産や有価証券、社長への貸付金。社長貸付は容赦なくそのまま引かれてしまうので、要注意である。 減価償却を我慢していて、未償却残高がある場合にも厳しく評価されるので、これも注意が必要。
②逆に含み益があるものも時価で計上される。土地や有価証券など。①と逆で、社長からの借入金は、もらったものとして、利益にみられる。
③社長の個人資産は、会社の財産と同様に取り扱われる。ただし、自宅はだめ。
この3点に注意して、会社の自己資本を計算してみよう。これが現時点での会社の借入余力であると思って差し支えあるまい。あとは、損益計算書をきちんと作れば、銀行を説得できる試算表ができあがるはずだ。
銀行の手の内を知っておくことは大切なことである。銀行も営利企業の一つであるから、お金を貸したくないわけでは決してないのだ。上手に利用しない手はない。
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金融工学者 フィッシャー・ブラック
一本の数式が世界を変えた
ブラック=ショールズの公式を知っている人はどのくらいいるだろうか。
私もファイナンスについては現在勉強中で、ルーエンバーガーの金融工学入門を読んでいるところだ。
この本は、ブラックの一生をドラマのように描ききったもので、経済学の知識が一般教養レベルの私にはいまひとつ理解できなかった部分もあるが、それでも興味深く一気に読むことができた。
本来あるべき所得税とはいかなるものであろうか。
私は税金馬鹿なので、どうしても頭が租税の方に傾いてしまう。
ブラックは価格の高低を見抜き、裁定取引をして確実な収益を出すのが得意だったようだが、その前提としては、租税が中立であることが大切なのではないか。
日本の租税法は、直接的に市場をコントロールしすぎる。例の役員報酬が典型例だ。法人の役員報酬を固定化しようとしている。このように直接的な規制しかできないのは、無能無策であることの表れではないだろうか。役員報酬による税収のゆがみはもっと緩やかな方法で簡単にコントロールできなかったであろうか。会社法が役員報酬が原則として費用であることを宣言している一方で、役員報酬が費用にならないような法改正を堂々とする無神経なやり方が今もって信じられない。
まことにうらやましい話だが、お金が有り余って困るという方が少なからずおられる。
その理由についてはいろいろありうるだろうが、今日お会いした方は、悪いことを何もしていないにもかかわらず、税務署に疑われるのではないかと心配しておられたように見受けられた。
とりあえず、税務署は反省すべき点が多々あろう。何をされるかわからない、と疑心暗鬼になるほど、いい加減な仕事の仕方をしていると庶民に思われているのだ。これを、勝手な誤解だと決め付けるのは傲慢であると思う。社会的な信用がないのは、やはり庶民の納得のいく徴税をしていない調査官が存在する事実が少なからずあるからなのだ。
確かに、最近は変な調査官は比較的少ない。昔は、いろいろな噂も聞いたし、実際に調査に立ち会った折り、金庫を開いたお客様を押しのけて他人の金庫に手を突っ込んでかき回した調査官を怒鳴りつけたこともあった。
税務調査の際には、金庫の中など開かなくてよいように、前もって資料は全て出しておくことだ。金庫の中などのぞかれる必要などまったくないのだが、見せないというと、見せたくないものがあるのではないかと疑われて痛くもない腹を探られることになりかねない。
それはともかく、今年の3月の郵貯の残高を見ると、昨年より少し減ってはいるものの、210兆円もの貯金残高が存在しているのは事実だ。郵貯だけでなく、銀行も信用金庫などもあることを考えると、国家予算80兆円の4倍くらいの資産が金融機関に現存しているのだ。300兆円を1億で割ると、一人あたま300万円。単純計算でも一人300万円の預金を持っていることになる。若い人たちは最近貯金をしないようだし、中年世代は子育てで貯蓄残高が一般的にはそんなにない。結局、年配の層が固まった預貯金を持っておられるのは間違いないだろう。
金利7%の時代があった。7%で利殖すると、預金は10年で倍になる。40年置いておけば、単純計算では16倍もの金額になることになる。
私はこのような話を説明して、お客様に言った。
社長くらいの年齢の方が、3億円くらい持っていても、私はぜんぜん多いとは思いませんよ。相続税の心配でもした方がいいんじゃないですか?
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